詩集「預言者」より カリール・ジブラン著
赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。
どうぞ子どもたちの話をしてください。
(それで預言者は言った)
あなたがたの子どもたちは、あなたがたのものではない。
彼らは生命そのもののあこがれの息子や娘である。
彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども、あなたがたから生じたものではない・・・。
あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、あなたがたの考えを与えることはできない。
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから、
あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが、
彼らの魂を宿すことはできない。
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでいるから、
あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが、
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。
なぜなら生命はうしろへ退くことはなく、
いつまでも昨日のところにうろうろ ぐずぐず してはいけないのだ。
あなたがたは弓のようなもの。
その弓からあなたがたの子どもたちは生きた矢のように射られて前へ放たれる。
射る者は永遠の道の上に的をみさだめて力いっぱいあなたがたの身をしなわせ、
その矢が速く遠く飛び行くように力を尽くす。
射る者の手によって身をしなわせられることを喜びなさい。射る者は行く矢を愛するのと同じようにじっとしている弓をも愛しているのだから。


